はじめに
世の中には様々な方式の変位計がありますが、実際には距離を含めた厚みや、すきま、物体の寸法測定など様々な計測に用いられています。
また近年モータなどのアクチュエータが多用されるようになってきましたが、モータだけでは難しいマイクロメータやナノメータレベルでの位置決めが求められる際に高精度な変位や距離を測定できるセンサが求められています。
こちらのページではその変位や距離をはかる変位計についてわかりやすく解説いたします。
目次
変位計に関する基礎知識
変位計の種類
対象に触れずに測定する「非接触式」 の大きく2つに分類されます。
変位計の選定
■ 静電容量式 電荷の移動した量を測定
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
導体、半導体 | 高い | 普通 | 短い | 小さい |
メリット:安価であり、かつ精度が高い デメリット:油や水の影響を受ける
■ 光ファイバー式 反射した光の量を測定
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 普通 | 高い | 短い | 小さい |
メリット:反射率の補正が不要 デメリット:色の影響を受ける
■ 透過型 レーザー光が遮られたかを測定
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 普通 | 高い | 普通 | 小さい |
メリット:反射率の補正が不要 デメリット:ほこりや煙、汚れの影響を受ける
■ 時間計測式 レーザー光が反射して返ってくるまでの時間を測定
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 普通 | 高い | 普通 | 小さい |
メリット:周囲の物体の影響を受けづらい デメリット:ワーク毎に反射率の補正が必要
■ 三角測量法 レーザー光の反射した位置を測定
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 普通 | 高い | 普通 | 小さい |
メリット:色や材質の影響を受けない デメリット:測定対象の後ろに壁があると誤動作
■ 共焦点式 光の明るさの変化を測定
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 普通 | 高い | 普通 | 小さい |
メリット:垂直方向の計測範囲が広い デメリット:水平方向の計測が苦手
■ レーザー干渉計 レーザー光の干渉を利用
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 高い | 高い | 普通 | 小さい |
メリット:精度が高い デメリット:高価、表面粗さの影響を受ける
■ 渦電流式 磁界を利用
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
金属 | 普通 | 高い | 普通 | 普通 |
メリット:水や油が飛散しても影響を受けない デメリット:測定対象が限定的
■ 超音波式 超音波を利用
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 低い | 低い | 長い | 普通 |
メリット:色や厚さの影響を受けない デメリット:風や湿度の影響を受ける
■ エアマイクロメータ 空気の流量や圧力を利用
測定対象 | 精度 | 応答性 | 測定距離 | 測定面積 |
ほとんどの物体 | 普通 | 低い | 短い | 小さい |
メリット:油や粉塵の影響を受けない デメリット:測定箇所が変わると使えない
厚みの測定
■ ひとつの物体の厚みを測定したい場合
UMA-500シリーズは測定・表示・分析・記録を1台でこなす、オールインワンタイプのポータブルモーションアナライザです。
2ch接続できるため、上下向かい合わせにセンサを配置し、測定対象を通過することで厚みをナノメートルオーダーの高精度に測定が行えます。
測定対象が絶縁体で、高精度に測定したい場合は「光ファイバ式」の「ATW200」がおすすめです。
一般的な光学式変位計と異なり面倒なワーク毎の反射率の補正は不要。プローブを測定箇所に近づけるだけで、高速微小変位の測定が行えます。
■ 複数の層に分かれた片側の厚みを測定したい場合
すきまの測定
位置決め用途に
分解能は最大 0.6 nm、応答性は最大 5 kNで対象が導体であれば材質によって感度が変わらず、表面粗さの影響をうけないため、校正やゲイン調整が不要です。
平面度、平坦度、回転体の軸振れ、面ブレ測定
2 ch入力の計測をもとに分析し、上下限判定、リサージュ曲線描画や、波形描画、FFT解析がすべて一台で行え、最新100回分の波形を内部メモリーに自動保存し、履歴画面ですぐに確認できます。