知っているようで知らない 変位計とは?

はじめに

変位とは、物体の移動量を意味します。似たような言葉に「距離」があり、こちらは2点間の長さを意味します。
世の中には様々な測定方法による変位計があります。距離や厚み、すきま、物体の寸法などの計測に用いられます。
近年はサーボモータやステッピングモータなど、位置決めに使えるアクチュエータが多用されるようになってきましたが、それらモータだけでは難しいマイクロメータやナノメータレベルでの位置決めが必要な場合には、高精度な変位や距離を測定するセンサである変位計が求められます。
このページでは、変位計についてわかりやすく解説いたします。

目次

1変位計に関する基礎知識
変位ってなに?
変位とは 物体の移動量 を意味します。平たく言うと、物体が移動した距離のことです。
人が歩いた距離 プレス機を動かした距離
2変位計の種類
変位計の測定方式は、対象に直接触れて測定する「接触式」
対象に触れずに測定する「非接触式」 の大きく2つに分類されます。
変位計の種類
3変位計の選定
上図の通り「非接触式」には様々な方式があり、測定対象、用途、必要精度、使用環境に応じて最適な機器を選択する必要があります。

静電容量式

測定対象 分解能 応答性 測定距離 測定面積
導体、半導体 0.1 nm
~ 100 nm
~ 5 kHz 30 μm ~ 5 mm φ1 ~ φ20

メリット:高安定、表面粗さの影響を受けにくい  デメリット:油や水の影響を受ける


光ファイバー式

測定対象 分解能 応答性 測定距離 測定面積
光を
反射するもの
0.1 nm
~ 100 nm
~ 3 MHz 10 μm ~ 5 mm 0.1 ~ 10 mm

メリット:高速応答  デメリット:表面粗さの影響を受けやすい


レーザー変位計(三角測量法)

測定対象 分解能 応答性 測定距離 測定面積
光を
反射するもの
0.1 μm
~ 数十mm
~ 数kHz 数十μm
~ 数十mm
数μm
~数十mm

メリット:作動距離が大きい  デメリット:組込しにくい、表面粗さの影響を受けやすい


共焦点式

測定対象 分解能 応答性 測定距離 測定面積
光を
反射するもの
高い ~ 数百kHz 数百μm
~ 数mm
数μm

メリット:測定領域が小さい  デメリット:表面粗さの影響を受けやすい


レーザー干渉計

測定対象 分解能 応答性 測定距離 測定面積
光を
反射するもの
数nm
~ 数百nm
~ 数十kHz 数μm
~ 数mm
数十μm
~ 数mm

メリット:測定範囲が広い  デメリット:高価、表面粗さの影響を受ける


渦電流式 磁界を利用

測定対象 分解能 応答性 測定距離 測定面積
金属 1 ~ 10 μm ~ 100 kHz 1 ~ 2 mm 10 mm

メリット:水や油が飛散しても影響を受けない  デメリット:測定対象が限定的


超音波式 超音波を利用

測定対象 分解能 応答性 測定距離 測定面積
音波を
反射するもの
数mm ~ 数十Hz 数cm ~ 数m 数mm
~ 数十cm

メリット:色や厚さの影響を受けない  デメリット:風や湿度の影響を受ける

4位置決め用途に
半導体製造装置の傾斜回転ステージ、ピエゾステージのフィードバックセンサなど、ショートストロークで高精度な位置決めには、「静電容量式」の「PS-IA」がおすすめです。
PS-IA
分解能は最小 0.6 nm、応答性は最大 5 kHzです。対象が導体であれば材質によって感度が変わらず、表面粗さの影響をうけないため、校正やゲイン調整が不要です。


区切り線

測定対象が絶縁体の場合

ガラスやフィルムなどの絶縁体を高精度に測定したい場合は、「光ファイバー式」の「ATW200」がおすすめです。
ATW200
一般的な光ファイバー式変位計と異なり、面倒なワークごとの反射率の補正は不要。プローブを測定箇所に近づけるだけで高速微小変位の測定が行えます。


オイルミストや水のかかる環境での測定

ブレーキロータの消耗試験やオイルバルブ試験など、オイルや冷却水のある環境で変位を測定したい場合は、「渦電流式」の「UEC-1」がおすすめです。
UEC-1
サブミクロンメートルの分解能を持ち、オイルや水漏れにも影響されず測定ができます。
5すきまの測定
測定対象が導体や半導体で高精度に測定したい場合は、「静電容量式」の「UMA-500-R」がおすすめです。
すきま測定専用のプローブを測定箇所に差し込むだけで、すきま測定が定量的に行えます。
UMA-500-R
6平面度、平坦度、回転体の軸ぶれ、面ぶれの測定
高精度に測定したい場合は、「静電容量式」の「UMA-500-R」がおすすめです。
UMA-500-R
2 ch入力の計測をもとに分析し、上下限判定、リサージュ曲線描画での同芯度測定、波形描画による振動モード解析、FFT解析がすべて一台で行えます。
最新100回分の波形を内部メモリーに自動保存し、履歴画面ですぐに確認できます。


7厚みの測定
測定対象が導体や半導体で高精度に測定したい場合は、「静電容量式」の「UMA-500-R」がおすすめです。
UMA-500-R
UMA-500シリーズは測定・表示・分析・記録を一台でこなす、オールインワンタイプのポータブルモーションアナライザです。
2 ch接続できるので、上下向かい合わせにセンサを配置し、測定対象を通過することで厚みをナノメートルオーダーの高精度に測定が行えます。


8特注対応について
高温対応や真空対応、微小スポット測定、小型対応など、ユニパルスの静電容量式変位計は様々な特注に対応します。

特注対応について

上記は一例で、用途に応じて特注対応します。
弊社営業までお気軽にお問い合わせください。
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