ユニパルスのロードセル、インジケータ製品群は体系的に大きく2つに分類出来ます。

1)荷重計測用・・・デジタルインジケータ、ダイナミックフォースプロセッサ圧入試験装置・破壊試験装置・トルク管理装置

荷重計測用インジケータは、瞬間的に発生する応力や荷重をピークホールド機能などで捉えて規格値内か上下限比較機能などで判定する機能が主要な機能です。そのため、比較的応答性が速いフィルタとA/Dコンバータを搭載しています。
自動車や電機・電子部品、化成品等の工業製品において、材料の特性試験から組み立て、出荷検査まで幅広い範囲で応用されています。

2)重量計測用・・・ロードセルインジケータ、ウェイングコントローラ

定量供給・配合計量

重量計測用インジケータは、粉体や液体を一定量ずつ容器に充填したり原材料をレシピに従って配合計量するなど、工場内の自動化された計量システムに使われます。計量を“より早く正確に”行うために振動を抑えて表示を安定させるフィルタ機能、充填装置のバルブやゲートを作動させる制御プログラムに特徴があります。
このような基本的なアプリケーションの違いを踏まえて、さらに下記項目のような詳しい仕様を明確にし、目的に適合する製品を選択して頂くことが重要です。

1)定格容量、ロードセル和算個数

2)取り付け方法、構造上の制約、周囲の環境

3)応答周波数

4)表示分解能、非直線性などの精度

5)インジケータ機能、制御内容

6)インジケータと外部機器の入出力信号、インターフェイス

7)較正作業、立会いの有無

8)トレーサビリティ証明ほかドキュメント類の有無

など検討すべき項目は大変多くなります。設備計画の初期段階からでもお気軽にご相談下さい。
早期に目的を把握することで、より効率的で的確な製品選びのお手伝いをさせていただきます。

ご利用いただく機種、装置によって詳細は変わりますが、概ね下記の手順で導入、立ち上げとなります。

1)機器、装置に設置された状態で、まず較正を行ってロードセルとインジケータが正しい荷重を表示出来るようにします。
重量計測の場合は、秤やタンクなど重量を量る場所に「分銅」を載せて実負荷較正を行います。計量法で定められた特定計量器の場合、都道府県の計量検定所が実施する検定を別途受ける必要があります。
荷重計測の場合は、ロードセルの試験成績書記載のデータを基に「定格容量N」と「定格出力mV/V」を数値入力します。

2)荷重や重量計測の応答性を左右するアナログフィルタ、デジタルフィルタ、安定検出などのパラメータを設定します。

3)ホールド機能、上下限比較機能、切出し計量、シーケンスモードなど制御、I/O信号の動作に関する設定を行います。

4)上下限判定値や定量目標値、落差などのワーク(銘柄) 毎の判定基準値を設定します。

5)十分時間をかけて試運転を行い、予期せぬ動作をしないよう装置全体の検証を行います。

AC搬送波タイプの製品はラインナップしておりません。
弊社のアンプ/インジケータは全て直流増幅器式となっています。
Uアンプに代表される、低ノイズ低ドリフト設計と直流アンプ本来の高応答性を活かした、高性能で扱いやすい製品を豊富にラインアップしています。

「シリアルインターフェイス」の略で、ユニパルス製のインジケータからプリンタや外部表示器等へ表示値、エラーなどの情報を伝送する、ユニパルス独自の機器間シリアル通信方式です。 無極性で、並行2芯ケーブルでは約30m程度、2芯シールドツイストペア線では最大300mまで外部周辺機器を最大3台接続できます。(誤動作の原因になるのでACライン、高圧線とは平行させないでください)
600bps固定で約3回/秒の伝送速度ながら通信条件の設定が不要で、配線を繋げるだけで即、周辺機器を使用できるのが利点です。

SIF説明画像

ワイヤレス送受信ユニットE92をお使いいただくと、重量値データ(SI/F)、接点信号2点を約50m伝送することが出来ます。
特定無線設備の扱いなので免許や資格・申請は不要です。

ロードセルの取り付けについては、下の図をご参照ください。

ロードセル取り付け説明画像

ロードセルに定格容量の荷重をかけた時に出力される電圧値を示します。
ロードセルはストレンゲージを使ってホイートストンブリッジ回路を構成したセンサです。入力(±EXC)に印加電圧をかけた上で荷重をかけると、ブリッジ回路の電気抵抗バランスがくずれ、出力(±SIG)に微小電圧(数mV程度)が発生します。
ただしその出力電圧値は印加電圧値によって変わるので、印加電圧1Vあたりの出力を示す単位として[mV/V]を用います。
例> 定格出力2.012[mV/V]のロードセルに印加電圧BV=5[V]を印加し、定格荷重をかけると、出力電圧値は10.06[mV] になります。

荷重指示値の最小値はロードセルの定格出力電圧と信号を受け取るインジケータ側の最小入力感度次第となります。
ただし、最小値まで精度を保証しているわけではなく、ロードセルの施工状況や周囲環境等の要因に影響を受けます。
見込まれる精度をロードセル+インジケータの総合精度計算により求め、最小値の参考にしてください。

計量/計測システムの総合精度は、ロードセルとインジケータのみで決定されるわけでなく、むしろ周囲環境、ロードセルの取り付け精度、荷重のかけ方などの要因に大きく影響を受けます。
本項目では、機器選定時の参考としてロードセル+インジケータのみに着目し、カタログスペックに基づき総合精度を算出する式をご紹介します。

ロードセルとインジケータの総合精度

重量計測用途の場合、本質的に高い分解能と精度を要求されますので、分銅による実負荷較正が前提となります。
荷重計測用途の場合、質量と違い応力を扱うためロードセル取り付け方法の都合で実負荷を掛けることが困難なケースが多いので、そのためロードセルの試験成績書を基に数値入力を行う等価入力較正が主流です。
重量計測用途における等価入力較正は、ロードセルの故障交換後にすぐ分銅積みが出来ないなど、緊急時の応急処置的利用を想定しています。

スパン較正を正確に行うためには、分銅重量値は最大秤量値の50%以上積載して頂くことをお勧めします。
大きな屋外サイロ、分銅を載せる場所が無いなど特殊事情の場合は弊社営業までご相談ください。 ご事情に合わせて提案させていただきます。

ロードセルの仕様書、試験成績書には「許容印加電圧」や「推奨印加電圧(例」)BV=10V」が記載されています。 推奨印加電圧と同じか、低い電圧をかける分には問題ありません。
印加電圧が低い場合、それに比例してロードセル出力電圧も下がるので外的ノイズ等によりS/N比の悪影響が懸念されますが、弊社が得意とする低ノイズの回路技術により十分な性能と精度を確保しています。特に最近では、インジケータの印加電圧を低く抑えてロードセルの発熱、ドリフトを軽減する手法が一般的になっており、むしろ低電圧駆動のメリットをロードセル+インジケータの総合性能向上に活かしています。安心してお使いください。

カタログの外形寸法表の中に「固有振動数」の記載があります。基本的にこの周波数成分を超える振動は計測できません。しかも通常の計量/計測ではロードセルに天板や機械加工用の金型冶具を固定することがほとんどなので、実際の計測で追従できる振動周波数はさらに低くなる傾向があります(一般的には10分の1くらい)。
※ 固有振動数のデータが無いロードセルもあります。ご了承下さい。

例> USBロードセルの場合

ロードセルとインジケータの総合精度

ロードセルケーブルの配色は統一規格が無く、メ-カー毎(製品によっては機種毎)に異なります。
弊社では、誤配線によるトラブルを避けるためインジケータの取扱説明書にロードセルの配線色は記載しておりません。 お手数ですがロードセルの説明書(または試験成績書)をご覧いただき、信号名と配色を確認して正しく接続してください。
なお、信号名についてもメーカーによって表記方法が異なる場合がありますので、参考までに下記対比表をご覧下さい。

対比表

通常、引張圧縮型ロードセルの出力信号(±SIG)は引張方向が+出力、圧縮方向が-出力です。
極性を反転して使いたい場合、±SIGか±EXCどちらかの+/-配線を入れ替えてご使用下さい。インジケータによっては、較正により極性を反転できるものもあります。(F381A/F388A/F372A/F377A)

広い積載面を持つフロアスケールなどにおいて積載面のどこに物を載せても同じ表示が出来るように四隅の感度調整を行うことを四隅調整といいます。
ロードセルを4個使った秤では、分銅を載せる位置を順次変えながら和算箱内の調整用トリマを微調整して、四隅の荷重が均一になるように調整します。精密分銅と専門的な知識を持つ秤業者に依頼するのがよいでしょう。

弊社製品、またはそれを組み込んだ機器・装置を「最終的に設置する国名」、「ご使用になるお客様の会社名」をお知らせ下さい。輸出貿易管理令に基づいた該非判定書を発行させて頂きます。輸出貿易管理令の別表第1~15項に該当しないことを証明します。発行に時間がかかりますので、通関業務まで余裕を持ってご依頼ください。

状況により、弊社技術センターにご返却していただくことで追加・改造が可能です(有償)。
ただし、ご購入時にオプション構成を十分にご検討いただくことをお勧めいたします。
お客様の状況により別途対応することも可能ですので、まずは弊社営業担当にご相談ください。

ロードセルに関してはステンレス製でIP67以上の防水性能を高めた機種をお勧めします。

ビーム型ロードセル HLC、SB14、Z6
引張型ロードセル RSCC、S40A
シングルポイント型ロードセル USC、PW15AH、PW25P、PW27AP
圧縮型ロードセル RTN

インジケータは単体では防塵・防水性を有しません。一部の機種では制御盤内に設置する際に、ゴムパッキンを使っていただくと簡易防塵になります。
・付属品のゴムパッキンで対応
F720B、F735、FC1000
・別売りのゴムパッキンで対応
F372A、F377A、F381A、F388A、F600AT…ゴムパッキンGMP96×96
F805Aシリーズ(CK、FB、CF、BC、MD含む)…ゴムパッキンGMP165×130
外部表示器LD557A、LD5100Aは簡易防滴、防塵構造(IP65相当) となっています。 IPの表記に関しては下記をご参照下さい。
IPコードについて