キープ制御を使っても一定の荷重で押せない。(PFA)

2パターン改善方法があります。

①「設定」→「一覧」より「Filtered FB」を「YES」にしてください。力制御がフィルタを通した後の値を有効にします。その後「設定」→「荷重」からロードセルのローパスフィルタを小さな値、もしくは移動平均フィルタを大きな値にしてください。
そのため、ローパスフィルタの値を小さくすれば(もしくは移動平均フィルタに大きな値を入力すれば)、その分値がふらつかなくなり、制御も安定します。
デメリットとしてはフィルタを重くすればその分応答性が遅れるため、実際にワークにかかる荷重が一瞬高い値になってしまいます。その後は応答が追いつき、実際にワークにかかる荷重と表示値がイコールになるため、安定して一定の荷重をかけられます。

②設定→シーケンスの中のPress Inposition Rangeの設定値を大きくしてください。
インポジションレンジを大きくすることで振動の周波数は低くなっていきそのうち振動しなくなります。
ただレンジを大きくするデメリットとしては値が目標値から少し外れてもその値を許容してしまいます。
例えば、レンジの値が小さいと5kNの目標値に対し、4.9kNの値までロードセルの値が下がれば、5kNになるようにP制御を行いますが、レンジの値を大きくすると4.9kNをOKとしてしまい、4.8kNまで下がらないと P制御で5kNに戻そうとしなくなります。

Press Inposition Rangeに単位はなく1unit=PFAの最小入力感度となります。
どの程度の数字を入れれば0.1kNに相当するのかはロードセルの定格容量と定格出力次第となります。

レンジの値が低いと振動が起きてしまうのは、サーボモータの溜まりパルスやメカの応答性が原因です。

PFAは目標値から実際の荷重がずれてしまった際にPID制御のP制御で値を5kHz(0.2ms)周期で修正しにいきますがサーボモータは受け取ってもすぐにその値になるようにプレス機を動かすことができず、少し遅れて動き出します。(サーボモータ側のゲインを上げれば追従性は早くなりますが、オーバーシュートしてしまい、結果さらに値が安定しません。)また、メカの応答性もそこまで速くはできないと思われますので、どうしてもPFAの指令どおり忠実に動くことができず、その結果、値がふらつきます。

特にワークや設備の剛性が高いと振動しやすくなります。

・サーボアンプのゲイン値を見直す。
・フィルタを調整する。
・Press Inposition Rangeの値を調整する。

以上の3点を変更しながら調整することでより安定した荷重を実現できるようになるかと思われます。